第12章 新たな季節。
レジでお金を払い、スーパーを出ると侑君が走って来るのが見えた。
侑「ともみちゃん!」
私は小さく手を振る。
目の前まで来ると、侑君はハァ〜と息を吐く。
「そんな走って来なくても良いのに。」
侑「ともみちゃん帰ってまうかと思ったんやもん。」
すると侑君は手に下げていたスーパーの袋をさりげなく持ってくれた。
「ありがとう…。」
侑「ほな帰ろ?てか夕飯なに〜?」
ガサガサと袋を覗き込んでいる。
「治君のリクエストでハンバーグです。」
侑「ずっる‼︎何でサムのリクエストやねん!サムばっか贔屓してへん⁇」
「いや、、これには事情が…」
はー?と不満顔の侑君。
「治君と倫太郎君に放課後、遊びに誘われたんだけど、先に夕子ちゃんと約束してたし断ったから…」
侑「・・・ふーん。てかそもそも何で合コンなんて参加したん?・・・彼氏とか作ろとか思ってるん?」
前を向いて歩く侑君に視線を向ける。
「・・侑君は?何で来たの?」
侑君と視線が交わる。
けど私は侑君から視線を逸らし、足元に目線を落とした。
「元カノの華ちゃん、可愛いね。・・何で別れちゃったの?」