第12章 新たな季節。
侑「華?・・あぁ。俺が中学卒業と同時に別れた。華も親の転勤で引っ越す言うてたしな。」
「え?じゃあ華ちゃん今1人暮らし?」
侑「寮に入ったんやて。でもまさかうちの高校に入るとはビックリしたわ。」
という事はお互い嫌いになって別れた訳じゃないんだ…。
それにもしかして華ちゃん、侑君を追いかけて同じ学校を選んだんじゃ…?
そんな事を思いながらも、そっか。と相槌を打った。
ピコン♪
侑君の携帯が鳴り、メッセージを確認している姿を見て…
「・・・華ちゃん?」
つい、口にしてしまう。
侑「おん。お互い連絡先は削除してたんやけど、さっき帰り際に交換してん。」
「・・・華ちゃんから聞かれたの?」
侑「?そうやけど…え?何?もしかしてともみちゃんヤキモチ焼いてるん⁇」
携帯から顔を上げた侑君は嬉しそうに私の顔を覗き込んできた。
「ち、違くて!・・また侑君が女の子にちょっかい出してるんじゃないかと思っただけ、、、‼︎」
・・しまった。
これは言っちゃいけないやつ…。
はっとして、口を手で押さえる。
侑「・・ハハッ。ヤキモチなんか焼く訳ないか。」
「侑君…」
侑「心配せんでも、もうそんな事せーへんよ。
華とは終わった関係やし、今はただの後輩や。」
眉を下げて笑う侑君を見て、胸がギュッと締め付けられる。
「そうだよね、、ごめんね変な言い方して…。」
侑「ええよ。それよりそんなシケた顔せんで今日はハンバーグやろ?俺のんチーズハンバーグにしてーや?」
侑君の笑顔につられ頬が緩み、頷いた。
侑「あー腹減った!早よ帰るで?」
「うん。」
蓋をしたはずの気持ちがまた溢れてしまいそうで、何だか少し怖かった。