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ハイキュー  夢を追うあなたと。

第3章 下宿生活。




自主練を終え21時過ぎに帰ってきても、ともみは温かい夕飯を用意してくれた。

ともみはリビングでテレビを見るか、ゲームをしながらみんなの帰りを待ってるようで、誰かが帰ってくるとその度にキッチンへ行き、温かい料理を出す。

ともみ以外はみんな部活をしているから帰る時間はバラバラなのに、あいつは嫌な顔1つ見せない。

無表情だし、全然喋らないけど、毎日料理や掃除は淡々と完璧にこなしていた。

時々中身がほんとに女子高生なのか不思議に思う時がある。
ほんとは60歳ぐらいのベテラン主婦かなんかなんじゃないのかと疑いたくなるほどだ。

週に1、2回かよこさんが夕飯を作る時があるが、正直ヘトヘトに疲れて空腹で帰った時、かよこさんの料理がテーブルに置かれてるとテンションが下がる。
別に不味い訳じゃない。
蓮さんも同じ様な事を言っていたからそう思ってるのは俺だけじゃないはずだ。



そんなある日、うるさいチームメイトに捕まり遅くまで自主練に付き合わされた。

その日も21時を回ってしまい、そっと玄関を開け中へ入るとリビングのソファに座るともみの背中が見えた。

・・・もしかして待ってた?
悪い事をしたな、と思い後ろから控えめに声を掛けた。

倫太郎「・・・ただいま。ごめん、遅くなった。」

「・・・・」

反応がない。

ソファに近づき顔を覗き込むと、

倫太郎「寝てる・・?」

俯いた姿勢で長い前髪が顔にかかり顔はよく見えないが、口元は少し開き小さな寝息が聞こえてくる。

俺は起こさないように荷物をそっと床に下ろす。
他の人達はすでに2階へ上がってるのか家の中は静かだった。

起こすべきか迷ってると、ともみの頭が左右にゆらゆらと舟を漕ぎ始めた。

このまま倒れたら危ないと思い、ともみの顔からそっと眼鏡を外し、テーブルに置いた。



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