第12章 新たな季節。
2人に話し掛けようとした時、ちょうど治君と目が合った。
治「あっともみちゃん!ちょうど良えとこに来てくれた!
今日体育館メンテやから部活オフやねんて。
せっかくやから3人で遊び行かへん?」
治君の隣には倫太郎君もいる。
「あー、、、えっと。」
倫太郎「?何か予定ある?」
まさか遊びの誘いを受けるとは思っていなかった為、返事に詰まってしまった。
「先約があって…。夕子ちゃんと、、お茶してくから…。ごめんね?」
眉を顰め、えー!と口を尖らせる治君。
機嫌を直してもらいには…。
「・・・そうだ!2人とも夕飯何食べたい?好きなもの作るよ?」
途端に治君は目を輝かせた。
治「ハンバーグ‼︎」
「フフッ、分かった。倫太郎君は?」
倫太郎君は無言で、じっと私を見つめると、
倫太郎「んー。ともみが作るもんなら何でも良い。・・・それより変なのに絡まれないよーにね。」
ポンと私の頭に手を置いた。
あれ…?倫太郎君、勘づいてる?
思わず夕子ちゃんに視線を送るが、夕子ちゃんはブンブンと首を横に振っていた。
「う、うん。じゃあ私、行くね。」
2人に手を振ると、夕子ちゃんに連れられ早足で教室を出た。
佐々木「ヤバっ!角名君てちょっと怖ない?私の事一瞬睨んでなかった?」
教室を出てからも何故か夕子ちゃんは小声で話し続けている。
「全然怖くないよー。目つきは鋭いけど優しいよ?」
佐々木「・・それは絶対ともみちゃんだけにやと思う…。」
夕子は1人呟いた。