第11章 けじめ。
まさかこんな所で会うなんて…。
侑君はダウンジャケットに身を包み、ポケットに手をつっこんで歩いていた。
私は足を止め、数メートル離れた先にいる侑君を見つめる。
トクン、と心臓が小さな音を立てた。
徐々に遠くなっていく彼の姿に、このまま前みたいに戻れなくなってしまうような気がして、気づいたら名前を呼んでいた。
「侑君っ」
侑君は足を止め、辺りをキョロキョロと見回した。
私はもう一度名前を呼ぶ。
「侑君っ!」
侑君は道路の反対側にいる私に気付くと、目を見開いた。
私が足を踏み出そうとした時、侑君が手を上げた。
侑「そっち行くから動かんといて!」