第10章 BIRTH DAY
たった一言だけど、0時きっかりに送ってくるなんて意外な一面もあるんだなと、口元が緩んだ。
すっかり自分の誕生日なんて忘れてた。
熱があるせいか頭がぼんやりとするけど、すぐに寝れる気がせず携帯を眺めていると、突然着信音が鳴った。
音に驚き慌ててタップすると、、
相手はクロだった。
クロ「寝てた、、よな?」
久しぶりに聴くクロの声は低音で心地良い。
「フフッ、残念。起きてました。」
クロ「えーこんな夜中まで起きてるなんてフリョー」
「さっきまで寝てたんだけどね?なんか夢で魘されて起きたら研磨からラインきて。」
クロ「え?マジ⁇俺1番におめでとう言うつもりだったけど、、もしかして研磨に先越された⁈」
「・・うん。」
クロ「マジかー!研磨のやつどんだけスタンばってたんだよー。」
クロの言葉に携帯を目の前に置き背中を丸めスタンバイする研磨を想像してしまい、思わず笑ってしまった。
クロ「・・ともみ、何か声枯れてね?」
「・・あぁ、うん。今体調崩してて学校休んでるんだ。」
クロ「なんだよ!それなら早く言えよー!
悪い、もう切るからゆっくり休めよ?」
私の体調を気遣いすぐに切ろうとするクロを慌てて止めた。
「ま、待って!切らないで…。」
クロ「・・・どした?」
「・・ごめん、我儘言って…。もう少しだけ付き合ってくれる?」
クロ「・・・俺は良いケド、、何かあった?」