第9章 文化祭
「よっしゃ!終わった〜‼︎」
全ての色塗りを終え、何とか看板も完成した。
「乾いてないし、このまま置いておきましょうか?」
「そうやね、明日の朝、片すわ。さっもう遅いし帰る準備しよっ!」
昇降口で靴を履き替え外に出ると、外はすっかり暗くなっていた。
「原さん、体育館行くんやろ?私もバレー部見てみたい!一緒に行ってもええ?」
「もちろん!・・私1人じゃ心細かったので…」
顔が引き攣る私を不思議に思ったのか、佐々木さんは首を傾けた。
「え?何か緊張してる?」
「・・・少し。」
体育館に行けば侑君もいる。
そう思うと緊張して顔が強張る。
あの日から侑君とは顔を合わせていなかった。