第3章 下宿生活。
倫太郎「それ、どうするの?」
私は重なった指を引っ込める。
「・・・捨てるのはもったいないので、私が夕飯にでも食べます。」
倫太郎「・・なら俺食っていい?」
思いがけない言葉に少し驚いたが、食べてくれるならありがたい。
私だって夕飯に朝のおかずは遠慮したい。
「はい…。良かったら食べて下さい。」
倫太郎「ありがと。」
?
ふと視線を感じ目を向けると、あやかさんがニヤニヤと笑みを浮かべながら私達を見ている。
私は首を傾けるとあやかさんは、
何でもなーい。と言い席を立った。
その後、私はお皿を洗いながらカウンター越しにチラリと倫太郎君を覗き見た。
黙々とおかずを食べているけど、、、
もしかして今まで量が足りてなかったのかな、と少し申し訳なく思った。
次の日の朝、早速倫太郎君のおかずの量を増やしてみたら、あやかさんに笑われた。
あやかさん曰く、昨日の倫太郎君の行動は私への気遣いだったらしい…。
そうとも知らず勘違いしてしまった自分が恥ずかしくて、すぐに倫太郎君のお皿から量を減らしいく。
そんな私を見て、またあやかさんが笑っている。
でもクールな印象の倫太郎君が、そんな風に私を気遣ってくれた事が何だか嬉しかった。