第3章 下宿生活。
バタバタバタバタ
慌てて階段を降りる足音が聞こえた。
あやか「蓮、降りてきたな。」
今度はダダダダーと廊下を走る足音が聞こえると、
「倫太郎〜‼︎なんで起こしてくれんのー?朝練遅刻やわ〜‼︎」
大きな声を出しながら、リビングへ顔を出したのは
雨宮蓮
3年 サッカー部
寝坊癖がある。
見た目がチャラいとよくからかわれている。
実は天然。
倫太郎「今週からテスト終わるまでうちは朝練ないから自分で起きてくださいって言いましたよ?」
倫太郎君は箸を進めながら冷静に返事をする。
蓮「せやったっけー??ってもう朝練間に合わん‼︎ともみちゃんごめんっ‼︎朝飯食べてる時間ないわっ!ほな行ってきます〜‼︎」
凄い寝癖を付けたまま、蓮さんは飛び出して行った。
私達3人は毎朝の光景に特に気にする事もなく、再び箸を進める。
あやか「ともみちゃん、蓮の朝ご飯は用意しなくてええんちゃう?せっかく作ってくれはっても寝坊して食べてへんのやから。」
その通りだ、と思う。
「・・・でも朝食作りは私の担当なので。」
ご馳走さまでした。と小さく呟き、食べ終わった皿は流しへ運び、蓮さんの分のおかずを片付けようとお皿に手を伸ばした時、倫太郎君の腕が伸びてきて指が重なった。