第7章 夏の思い出
「治君の気持ち、凄く嬉しいです…。でも正直、よくわからないんです。
治君の事、勿論好きだけどそれが恋愛感情なのか…。
こんな私に治君みたいな優しい人、もったいないです…だから、、」
治「ストーップ‼︎待って待って⁈今、断ろうって思ったん?」
治君の手が私の口を押さえて咄嗟に言葉を飲み込んだ。
治「ともみちゃん決断早過ぎや!びっくりするわ(笑)」
治君は困ったような顔をして笑っている。
「・・す、すいません。恋愛経験ないからよく分からなくて…。中途半端な返事は良くないと思って…。」
治「かと言ってバッサリ振られたら身も蓋もないで?彼氏や好きな人が居んのやったら別やけど、、そういうヤツ居るん?」
私は首を横に振る。
そんな私を見て治君は安心したように笑うと、
治「それやったら俺にもチャンスはあるって事や。だから今すぐ応えんでええねん。
これから少しずつ距離縮めてともみちゃんが振り向いてくれるまで俺は待つで?」
「・・・治君。」
治「・・とは言っても、ただ黙って待ってられる性格ちゃうから、今からは男友達やと思って?話し相手にもなるし、困った事があったら頼って欲しいし。寂しい時は甘えたらええ。」
「・・でもそれって何かずるくないですか?」
治「ええやん!俺かてあわよくばって思うとるんやから。男友達から彼氏に昇格する日が来るかもしれへんし?」
ニコッと明るく笑う治君に私の頬も緩む。
「・・ありがとうございます。」
なんだか治君の優しさに甘えてしまってるような気もするけど、
この居心地の良さを手放さなくていいのかと思うと少しホッとする自分がいた。
それから私達はしばらくそこで他愛もない話をしていたが、治君のお腹の虫が盛大に鳴いたところで、みんなの元へ戻る事にした。