第7章 夏の思い出
「・・・え?」
治「保健室で会った時からもう一目惚れやったけど、会うたびどんどん好きになってもうて。頭ん中、ともみちゃんでいっぱいや。
俺に守らせて?もう寂しい思い、させへんよ。」
治君は眉を下げ切なそうな顔で私を見つめる。
治「・・抱きしめてもええ?」
綺麗な目が揺れ、至近距離で見つめられたら断れなる筈もなくて。
むしろ私の方が抱きしめてあげたい、と思ってしまう。
手を広げて治君の背中に手を回し、温かい胸に顔を埋めると治君の早い鼓動が直接耳に伝わってきた。
治君は少し驚いたようだったが、すぐに私の背中に腕を回してぎゅっと抱きしめた。
「心臓、すごい速さですよ…」
治「恥ずかしいわ。今、めっちゃドキドキしとるもん。」
治君は優しい…。
私にはこんなに優しい人勿体ないよ…。
優しく抱きしめられる感触が心地良くて目を閉じた。