第7章 夏の思い出
「私、誰かに怒られた記憶ってほとんど無くて。。
母親は私に無関心でしたし、学校では悪口言われたり、無視されたりとかはあったけど、私の事を思って怒ってくれる人はいなかったです。」
だからあんな風に怒ってくれた侑君に私の心臓は音を立てたんだと思う。
治「・・・ともみちゃんは強いな。俺ならとっくにグレとるわ。」
「全然。強くなんてないです。…心の隅では寂しいって思ってました。
でも頼れる人も、甘えられる人もいなかったから何もかも諦めてしまっただけなんです。」
治君は繋いでいた手をぎゅっと強く握りしめた。
顔を上げると治君の真っ直ぐな目と視線が交わる。
治「ともみちゃんが好きや。」