第7章 夏の思い出
賑わっていたビーチから離れ、しばらくすると目の前に岩場が見えて来た。
そこは浅瀬になっていて、カニでも探しているのか、網を持った子供が2人いるだけで人気はほとんどなく、静かな場所だった。
治「な?静かでええやろ?」
「・・・なんか治君に気を遣わせてしまってすいません…。」
治「ちゃうで?俺がともみちゃんと2人になりたかったんや。付き合うてもらってるんは俺の方やし。ここ、座ろか?」
2人が座るに丁度良い大きさの岩を見つけ私達は腰を下ろした。
手はしっかりと握られたままだ。
治「・・・ツムが言ってた事、気にせんでな?」
治君は心配そうに私の顔を覗き込む。
「…大丈夫です。せっかくみんな楽しんでたのに、嫌な空気にさせちゃってすいませんでした。」
治「いや、あれは完全にツムの言い過ぎやし。あの言い方は無いわ!
てか思い出しただけで腹たってくる。」
「・・・でもあんな風に怒ってくれて少し嬉しい、って思っちゃいました。」
治君はえっ?と若干引いている。