第7章 夏の思い出
治「おい、ツム!何やその言い方‼︎ともみちゃんは知らん男に囲まれて怖い思いしたんやぞ⁈」
侑「そんなん分かっとるわ‼︎だから怖かったら怖いとか嫌だとか、何か言えって言うとるんや‼︎何でもかんでも受け入れんな‼︎」
2人がヒートアップしていく中、
倫太郎「・・・まぁ、でもそれは一理あるかもね。」
倫太郎君の一言に治君は意表を突かれた顔をする。
治「・・・何や角名まで!だとしても今このタイミングで言わんでもええやんか!」
侑「このタイミング言わないつまでも変わらんやろ。ハッキリ言うで?今のともみちゃんは感情も意思もないただのお人形さんや。」
ドンッ‼︎
治君が侑君の肩を押し、侑君が後ろへよろめいた。
治「ツム‼︎ええ加減にしろ‼︎言い過ぎや。」
殴り合いになるんじゃないかと緊張感が走り、私は慌てて治君の腕を掴んだ。
「治君!私なら大丈夫なので…落ち着いて下さい、、」
侑君は砂の上で胡座をかき、そっぽを向いている。
そんな侑君を見た治君は苛立った様子で頭を掻くと、
はぁ。と息を吐いた。
治「ともみちゃん、ちょっと気分転換付き合うてくれる?あっちに静かな穴場見つけてん。」
私はコクッと頷いた。
倫太郎「治。へんなマネすんなよ?それと、コレ。」
ポイっと倫太郎君がタオルとシャツを治君に放り投げた。
治「サンキュ。ほなちょっと行ってくるわ。」
私はみんなに目配せするも、侑君と視線が合うことは無かった。