• テキストサイズ

~拍手お礼倉庫~

第14章 《神威 ~ハロウィン~》


《神威 ~ハロウィン~》

「ねえ、○○。お菓子ちょうだい」
「は?」

 突然人の部屋に押しかけて来たと思ったら、神威がまたおかしなことを言い出した。
 いや、ダジャレじゃなくて。

「今日はハロウィンだろ」
「ハロウィンなんて、どこで知ったの?」
「前に地球に行った時。ハロウィンにはお菓子を用意して、好きな奴にあげるって」
「それ、二月の行事と混ざってない?」

 宇宙船のガラスに映る神威の顔は、いつもの通りニコニコしている。

「大体、好きな人にあげるなら、私が神威にあげる道理はないでしょ」
「そういうの、ツンデレって言うらしいよ」
「それも地球に行った時に覚えた言葉?」
「そ」

 地球に行くたびに、神威は妙な言葉や物事を覚えて帰って来ている気がする。

「ま、お菓子くれないなら、代わりのものをもらうまでだけど」

 神威はニコニコ顔を崩し、鋭い目を向けて来た。口角だけは上がっている。
 私にこんな顔を向ける時、神威はいつも何か悪巧みを考えている。

「代わりのものって、何?」

 神威は私の耳に顔を近づけ、

「もちろん、○○自身」

 耳たぶを舐めて来た。
/ 36ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp