第29章 中学時代のクリスマス

これは涼子達が中1の時のクリスマスの話です。
クグラ「なぁ！カンナギはサンタに何貰うんだ？？」
カンナギ「…は？？」
クグラ「は？って…サンタにちゃんと手紙書いたんだろ？？」
カンナギ「何のだよ？」
クグラ「プレゼント貰う為の手紙に決まってるじゃねぇか！バカだなぁ！」
カンナギ「お前にバカと言われたくない！つーか、サンタなんて…」
「だー！！カンナギ！！ストップ！！」
いきなり現れた涼子にカンナギは口を塞がれた。
カンナギ「…！？……なんだよ！？」
「カンナギ君、大切な話があるからちょっと来て？クグラ、ちょっとだけカンナギ借りるからね！」
クグラ「？？」

そしてカンナギを裏庭へ連れて行く。
「あんたにちゃんと話さなきゃいけない事があるの！」
カンナギ「涼子……まさか！？俺に告る気か！？悪いが俺には気になってる子が…だからお前の想いには……あだっ！！」
涼子はカンナギをなぜか持っていたハリセンで叩いた。ちなみにカンナギの気になってる子とはカンナギの家の前を毎日通る私立の女子中に通うエミスのことである。その時はまだ話した事がないのでエミスという名だという事もアカチと付き合っている事も何も知らないのである。
「んなわけあるかい！！」
カンナギ「冗談だよ…。で？何の話だよ？」
「クグラはね、未だにサンタを信じているの！！」
カンナギ「………ぶはっ！！マジで！？………ギャハハハハハハハ！！」
「笑い過ぎ！…だから、本当のことはカンナギの口から言わないでほしいの！！」
カンナギ「は？別に良くねぇ？もぅ中1でサンタとか信じる歳じゃねぇし。」
「ダメよ！クグラは純粋にサンタを信じてるし…それに…」
カンナギ「それに？？」
「勝手に真実をバラしたらエト兄ちゃんがどんだけ怒るか！！」
カンナギ「あぁ…例のブラコン兄貴か。もしかしてあの兄貴がサンタ役やってんのか？？」
「うん。ここ数年はエト兄ちゃんが毎年夜な夜なクグラの枕元にプレゼント置く役をやってて、上の兄ちゃんと両親はサンタの真実を教えようとしてるんだけど…エト兄ちゃんが『サンタを信じる純粋で可愛いクグラに…なんて残酷な事をしようとするんだ！！そんな夢のない真実を知った時、クグラがどれだけ悲しむか…可哀想だろ！それに毎年の俺の楽しみを奪う気かー！』って。結局誰も真実を言えないという…。」