第94章 猫飼いませんか?
ある日、ヤタカが箱を持って涼子の家にやって来た。
ヤタカ「涼子!一生のお願いだ!」
「いきなり何よ!?」
クグラ「お前まさか…キクリと初体験する前に涼子で練習させろとか言うつもりか!?」
もちろん、クグラも一緒なのである。基本用事がない限りはどちらかの家で涼子とクグラは一緒に居るのだ。
ヤタカ「んなわけないだろ!!…猫を飼ってほしいんだ…。」
「は?猫??」
ヤタカは持っていた箱を開けて見せた。
子猫「にゃ〜!」
「……えっ!猫じゃん!可愛い〜!!」
クグラ「おぉ!まだ小さいじゃねぇか!どうしたんだよ?」
ヤタカ「昨日、キクリとデートした帰りに捨てられてたのを見かけて…キクリが可哀想だって言うから僕が飼おうと思って連れて帰ったんだけど…お母さんが大反対してね。」
「お母さんは猫苦手なの?」
ヤタカ「そうらしいんだ。今まで猫の事を話題にする機会がなかったから知らなかったけど…相当苦手みたいで子猫を見るなり…『ぎゃー!!猫とかマジありえんてぃ!チョベリバ!!超SS!!ヤタカ!早くドロンして!!』って大騒ぎして……猫避けのつもりなのか蚊取り線香を大量に焚いて部屋を臭くするし…。」
「……ヤタカのお母さんって…元コギャル?」
クグラ「つーか、コギャルもどきか?なんか中途半端な感じだし。」
「それに猫避けに蚊取り線香とかウケる〜!」
ヤタカ「煩いなぁ!僕のお母さんは元コギャルではない!てか、そんな事はどうでもいいんだ!この猫飼ってくれないか?クグラでもいいし!」
「そう言われてもねぇ…。」