第67章 新入生
今回の話のメインはクニクル。中学を卒業して田舎からこっちに引っ越して来た新入生である。今日は入学式、クニクルは知人も友人も居ないこの場でやって行けるのだろうかととても不安に思っていた。
そんな事を思いながら一人で教室に向かっていたのだがわりと広い学校なので迷ってしまった。
クニクル「どうしよう…。」
「そこの少年!お困りのようね!」
クニクル「えっ…。」
後ろから声をかけられ振り向いてみると妙なくらい大量の荷物を持った涼子が立っていた。なんか風呂敷を背負って泥棒チックな格好をしてる。
「君、新入生でしょ?」
クニクル「はい…教室まで行きたいんですが迷ってしまって…。(なんか凄く可愛い人…まるで天使!)」
今、不安な気持ちになっているクニクルには涼子が可愛い天使に見えるのである。たまにこの様な症状に侵される人がいるが、大抵は不安が無くなると可愛い天使ではないことに気付くのである。
「ふふふ、任せなさい!先輩の三神涼子様が案内してあげるわ!」
クニクル「やっぱり先輩だったんですね!お願いします。…あっ!オラ、クニクルといいます。」
「オッケー!クルクル!」
クニクル「あっ…いや…クニクルです。」
「こりゃ失敬!さぁ、クニクニ!こっちよ!」
クニクルは涼子に教室まで案内してもらうことになった。
クニクル「(なんか変な人だけど…優しいよなぁ。)ところで三神先輩?その風呂敷は何ですか??」
「いや〜ん!三神先輩じゃなくて涼子先輩って呼んでちょうだい!…この風呂敷にはね…素晴らしい物が入ってるのよ。」
クニクル「素晴らしい物ですか??」
「そうなの!教室に着いたら見せてあげる!」
そんなこんな話しながら歩いているとあっという間に教室に着いた。
クニクル「涼子先輩、ありがとうございました!助かりました。」
「いえいえ!また困ったことがあったら遠慮なく声かけてちょうだい!ところで…この風呂敷の中身なんだけどね……」
涼子が風呂敷を開けようとするとヨルナミとキクリが怒りながらやって来た。