第45章 中一の思い出
〜回想〜
これは中一の時のハイキングの話です。三バカwithキクリとヨルナミ、ヤタカはクラスが違ったのだが校外学習なので一緒に行動していた。
「クグラ!カンナギ!誰が先に山に登れるか競争よ!」
クグラ「おう!望むところだ!」
カンナギ「負けた奴は勝った奴の言う事聞くんだからな?」
ヨルナミ「…あの、ちょっとお聞きしたいのですが。」
「何よ?ヨルナミ?」
ヨルナミ「…涼子さん、クグラ、カンナギは何をしに来たんですか?」
クグラ「山登りに決まってるだろ?」
ヨルナミ「ただの学校行事のハイキングになぜそんな物を持ってきてるのです!?」
三バカはクライミングで使う道具を持ち頭にはライト付きのヘルメットを被っていた。
「だって山を登るんでしょ?そんなリュックだけじゃダメじゃん?」
カンナギ「お前らそんな少しの荷物で登る気かよ??何が必要になるか分からねぇんだぜ?」
クグラ「そうそう!落ちる可能性高いし、無事登れても遭難するかもしれないし!」
ヤタカ「あのね…君達。ただのハイキングなんだよ?いつもよりハードな散歩程度の事でそんな物必要ないだろ?」
「…ん?崖登るんでしょ??」
ヨルナミ「学校行事でそんな危険な事するはずがないでしょう!!それに崖登りするなんて誰も言ってないではないですか!山登りです!」
カンナギ「……崖登らないのか??」
ヤタカ「当たり前だろ?なんで山登りを勝手に崖登りだと思ってんだか…。」
クグラ「…マジかよ!俺、もしかしたら死ぬかもと思って親と兄さんに手紙置いてきちまった!」
「私も!最後かもと思って小っ恥ずかしいこと書いちゃったしー!!」
カンナギ「親父ー!!頼む!俺が帰るまで帰ってこないでくれー!!」
涼子とクグラは自分の部屋の机に、カンナギは茶の間のテーブルに遺言状を置いてきたのである。
ヨルナミ「なんてバカなんでしょう…。」
ヤタカ「普通に考えて命がけの崖登りなんてするはずないだろうに。」
ヨルナミ「それに本当に崖登りするなら持ち物にそれ用の道具が書いてあるでしょうに。」
ヤタカ「まぁ、先ずそんな学校行事は親達が許さないよね。」
キクリ「キャハハハハハ!!もぅ…涼子達可笑しい〜!!」
ヤタカ「(あぁ…キクリさん…笑った顔は更に可愛い…。)」
この頃ヤタカとキクリは既に両想いなのだが、まだ付き合っていないのである。
