第7章 ミヘン・セッション
いつの間にか背後にシーモア老師が立っていた。
「あなたほどの方がガードなんて…ユウナ殿はさぞ心強いことでしょうね」
「…そんなことはありません」
さすがにここで無視するわけにもいかず、シーモア老師の方へと振り向く。そして彼の問いに的確に短く答える。
…あまり声を聞かれたくないからだ。
「ご謙遜なさらずに…もしよろしかったらお名前を教えていただけませんか?」
「…シーモア老師に教えられるような身分ではないので」
その瞬間、激しい地響きが起こった。
『シン』の方を向けば、アルベド族の大きな機械の砲撃と『シン』の攻撃が押し合いをしていた。
機械の下にはその押し合いを応援している隊員がいる。
「あそこにいたらみんな巻き添えを食らうわ…!」
助けようと思い機械のもとへ走り出そうとするが、目の前の男に手をつかまれ止められてしまう。
「おやめなさい。」
その掴んだ手と瞳の奥はひどく冷たい。
それに負けじと抵抗する。
「…なぜですか」
「今からいっても無駄だからです。あなたは自分の命が惜しくないのですか?」
「…!無駄だとしても目の前にある命を見捨てることはできません!!申し訳ないのですが、失礼します!」
そう言葉を吐き捨て、掴まれていた手を振りほどき、彼がいるその場から離れた。
シーモア老師の言葉に思わず感情的になってしまう自分に少し嫌気が差すが、どうしても抑えることが出来なかった。
『シン』に目を戻せば、そのエネルギーの塊の光はどんどん強くなっていき、アルベド族の砲撃を押し返しているように見える。このままでは…。急いで機械のもとへ向かわなければならない。
「お願い、間に合って…!」