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【FF10】緋色のそばに

第1章 プロローグ






「なあ、サーシャ」


「なにアーロン?」


「もし俺たちが無事に帰ってきたら……いや、やはりいい」


「なによ、そこまで言うなら最後まで言いなさいよ!」


「いいと言っているだろう」




男は言いかけた言葉を続けようとはしなかった。
その態度に女は少し怒ったような表情を浮かべる。




「…ほんとにカタブツね」




女は小さく呟き、男のそばに気づかれないよう近づく。

そして彼がこちらを振り向くタイミングで、彼の唇を自分のものに重ねる。




「なっ…!」


「男なら黙って待っててくれって堂々と言えばいいじゃない!」




突然の事に男の表情は慌てふためている。

女はそれにまったく動じず、説教を続けた。




「……その代わりブラスカさん達との旅が終わったら、今度は私とずっといっしょにいてよね?」



「っ…!ああ約束する、サーシャ。必ず生きてここに戻ってくる」
















そう、これは私たちの物語だ






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