第3章 苦手、じゃなくて嫌い
「こんばんは、ヒロ」
「………何の用だ、骸」
「酷い言い様ですねぇ。一週間振りの再会だというのに」視線の先にいたのは六道骸。
中学からの付き合いだが、恭弥と同じで仲は決して良くない人物だ。
ヒロに対しては、骸本人はそう思ってないようだが。
「沢田綱吉に聞いたらヒロはこちらの方に戻って休養してると言っていたのですが………やはり大人しくなどしていませんでしたね。
どうでした?シキとやらは」
「…お前には関係ない」
やる気が失せたようにヒロは刀をパチンとしまうと、近くにあった台の上に置いた。
それを見た骸はニッコリ微笑むと、その場を去ろうとするヒロの背を振り向きざま壁に打ち付けた。
「つっ…!!何をッ…」
「ヒロ…相手をしてくれませんか?」
「………相手、だと?」
「ええ……こちらの、相手です」
骸はそう言ってヒロの顎に指を掛け、クイッと顔を上に向けさせる。
唇が触れそうなくらいの至近距離で、ヒロは心底嫌そうな表情で言った。
「以前も言ったはずだ。俺に触れていいのは恭弥だけだと」
「そう言って前に触れさせてくれたのはどこの誰です?」
「ッあれはお前が無理矢理…!」
「だったら抵抗すればいい」
低く発した声にそのまま無理矢理口付けられる。
抵抗などしようにも、思いのほか力が入らなかった。