第3章 苦手、じゃなくて嫌い
「んぅ…っ……!」
「ああ、手の傷が開いてしまいますね。こっちには触らないように、縛ってしまいましょうか」
「!!!」
骸はそう言うとスルスルとネクタイを外し、頭上に持ち上げた手首をギュッと縛り上げる。
そこまでキツくは縛られていないが、体で体を強く抑えられ、ヒロは身動きが取れなかった。
「クフフ…駄目ですよ、ヒロ。こうも簡単に拘束されるようでは……。
それとも、僕だから気を許してたんですかね?」
「戯れ言を…!!」
ヒロはキッと睨むが、それは骸の笑みを一層深くさせるだけに終わった。
「大人しくしていないと、痛いのは貴方ですよ」
「……っ!!」
骸はそう言いながら道着の帯に手をかける。
器用にも片手でほどいたそれを投げ捨て、着崩れた隙間に顔を埋めた。
胸の突起に時折吸い付くように舌を這わせられ、自然に出ようとする声を必死に押し殺す。
「んっ……!」
「ヒロのその表情、凄く良いですよ………でも、こっちの表情もそそられる」
「ぃッ……ああ!!」
いきなり後ろを向かされたかと思うと、脱げかかった袴をずり降ろされ、勢いもそのままに後孔に指を突き入れられた。
突然の痛みにヒロは顔を歪めるが、骸はお構いなしに指を出し入れさせる。
「意外とすんなり挿入りましたね………雲雀恭弥ですか?」
「ッ関係、ない……さっさと抜け…っ」
「おや、そうですか?」
それは残念、と骸は続けるが、その声はやけに楽しそうだ。
きっと笑みを浮かべてるに違いないと、ヒロは思った。