第5章 セカンドコンタクト
所変わってここは軍の管理する演習場。
普段は兵卒達が使ってそこそこ賑わう場所だが、今日は別の事由で盛り上がっていた。
「では、これより実技試験を開始する!二人一組で行い、武器は各々用意した物で結構!武術、剣術が…」
軍への入隊試験。
ヒロは綱吉により、軍内部への潜入を命じられた。
実は以前からボンゴレやキャバッローネファミリー数名が軍に潜入し情報を手に入れて来たのだが、今回は新たにヒロもそれに加わることになったのだ。
綱吉の真意はわからないが、命じられたからには動かない訳にいかない。
ヒロは長い髪を帽子で隠し、一般人に成り済まして入隊試験に参加していた。
「お前細い体してんな~。そんなんで俺の相手が務まるのかねぇ?」
試験官が説明をしている最中、隣にいる男が話し掛けてきた。
頭はそれほど良くはなさそうだが体格差は一目瞭然、ヒロより一回りも二回りも大きい男だ。
ヒロはそれに耳を貸すこともなくただ黙って目を閉じている。
「まあお前みたいな奴は、夜の相手にした方がお似合いだと思うがな」
「次の者、始め!」
試験官の合図でヒロはゆっくりと目を開ける。
だが、男は既にヒロの目の前まで迫っていた。