第1章 き、きちゃった?!
「さっき出血してたとか言ってたよな?」
「?…あぁ」
真面目な顔付きで玲人が聞いてくるので、俺も真面目に答える。
「ちょっと症状言ってみ?」
「え…?」
何でそんな事教えないといけないんだと、首を傾げる俺に早く言えと目で急かせてくる玲人。
…症状?
症状って言ったって…。
とりあえず朝から感じていたことを述べて行く。
体のダルさ、出血、背中の痛み…。
俺の答えを聞いていくにつれ、玲人の瞳に映る意思が確信に変わっていく。
しばらくスマホの画面を見ていた玲人は、それから視線を外すと俺の瞳を真っ直ぐと見つめた。
そのあまりに真剣な眼差しに、無意識に背筋が伸びる。
玲人は1拍置くと、息を吸い込んでから口を開いた。