第7章 歪んだ愛情
2人が一緒に過ごしたのは
ほんの数ヶ月だけだったというのに
マイキーが姿を消してから何年経っても
リンの気持ちは変わらなかった
そして
オレの彼女への気持ちも
何年経ってもずっと変わらないままだった
オレとリンの関係は
この状況だからこそ成り立っているようなものだった
マイキーが戻って来れば
彼女はもうオレを必要としなくなる
リンがマイキーを探すことを諦めたとしても
単独で動くことを選んだとしても
オレにとっては全て同じだった
マイキーがリンの前に現れ「もう探すな」と忠告した時
ドラケンも「これ以上深入りするのは危険だ」と
手を引くことを彼女にすすめた
本当にリンのためを思っているなら
オレもドラケンに賛同するべきだったのだろう
でも
そうはしなかった
その日の夜、オレはひとりで彼女のマンションを訪ね
「一緒に待とう」と言ったのだ
絶望しているリンを励ましたかったのか
この関係を続けたかっただけなのか
自分が望んでいるのが彼女の幸せなのかさえ
その頃にはもう
分からなくなっていた