第3章 記憶障害
「報告は以上です」
「待て政宗。貴様なにやら拾い物をしたそうだな」
「ああ、帰り道で拾って持ち帰りました
逗留の許可を貰えますか?」
信長の言葉に対して悪びれなく返す政宗にニヤリと信長は笑った
「さてと、秀吉の処にでも行くか」
「まあ待て政宗」
腰を上げかけた政宗を引き止めた
「もうじき奴らがこの安土に来ることは知っているな?」
「勿論知ってますよ」
楽しそうに口の端を上げ信長はひとつ政宗に命令を下した
「へぇ~面白くなりそうだ」
「アイツが彼方に行ってからと言うもの
退屈をしていたところだ、良い暇潰しが出来たものよ」
去っていく政宗を見送り信長も広間から出ていった
「待たせたな秀吉」
「まーさーむーねーっ!!」
カラッと戸を開いて秀吉の部屋に入るなり
秀吉が政宗の胸ぐらを掴みかかってきた
「お前っどう言うことだっ!!」
「それを説明しに.....」
「秀吉様、目を覚まされました」
続きの部屋から三成の声が聞こえ戸が開かれた
『此方の方たちは?』
「右が秀吉で左が三成だ」
『葉月と申します』
上体を起こし座ったままの体勢でペコリと頭を下げた