第3章 記憶障害
「体調悪い所悪いが、さすがに今日中には帰らねえとな、煩い奴がいるからな」
にっと笑う政宗に葉月は抱き込まれる格好で馬に一緒に乗せられている
朝日と共に出発し休憩も殆ど取らず走り続けた
「お帰りなさいませ政宗様」
「遅いっ!何をしていた政宗っ!!」
日が沈む前に到着した安土城の城門では
にこやかに微笑む三成と眉尻をつり上げた秀吉が待っていた
「いや~途中で拾い物してな
悪いが秀吉ちょっと預かっててくれ
俺は信長様に報告してくるわ」
「っおい政宗!!」
「後で話す」
寒くないようにと羽織にくるんだ葉月を秀吉に引き渡しヒラヒラと手を振って歩いていった
「大きな荷物ですね秀吉様」
「...厄介な荷物だ」
羽織から溢れた長い銀髪を見て
また、面倒事が舞い込んできたと肩を落とした
「厄介ですか?」
小首を傾げる三成を連れて大きなため息をこぼしながら秀吉は葉月を抱えて安土城の中へと入って行った