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世界は変わらないと知っていても

第6章 地球へ


「シシアさん、殿ありがとうございました。」

副官のダコスタだ。

「いいえ・・・。」

撤退をしているときに聞こえたアイシャの声。
愛する人と別れるなら共にいるという選択をした。
私は、彼女のように全てを捧げられるのだろうか。

「アンディ!!」

最後の瞬間愛するものの腕で迎えることができたのが素直に羨ましかった。




「お願いします!隊長!!」

何度煮え湯を飲まされたことか。
イザークはアークエンジェルとの因縁を断ち切れないでいた。

「だがそれは既にかーペンタリアの任務となっている。」

「我々の仕事です、隊長!あいつは最後まで我々の手で!」

ちらりとアスランを見る。
皆の思いも理解できるが、戦いたくないのだろう。
複雑な表情をしていた。

「では、イザーク、ディアッカ、ニコル、アスラン、そしてシシアでタイを結成し、指揮は・・。そうだな、アスラン、君に任せよう。」

新しいおもちゃを見つけたような、なぜかそんな表情に見えた。
クルーゼ隊長はもしかして知っているのだろうか。
アスランと。キラ・ヤマトの関係を。

「私は期待がありません。」

奪取した期待が未完成すぎたため、皆のように期待を持っていない。

「君が奪取した期待を地球に下ろす。まだ未完成ではあるがほぼ整備し終わっている。」

そんな機体で戦えというのか。

「他には?ふむ、色々と因縁のある船だ、難しいと思うが、君に期待する。」

そこで通信が打ち切られる。

「ふん!お手並み拝見といこうじゃない。」

イザークは挑発的な態度をとる。
しかしアスランはどこかぼんやりと考え事をしているようだった。


アスランが消息不明という連絡が入った。

「イザーク!アスランの消息!!」

「ザラ隊の諸君!さて、栄えある我が隊の初任務を伝える。それは・・・・、これ以上ないというほど重大な、体調の捜索である!」

いつものイザークからは造像もできない芝居がかった物言いについ吹き出してしまう。

しまったと、笑い事ではないと顔をあげるとイザークと目があった。
彼は穏やかな表情で微笑んだ。
私にしか見せないその笑みに胸が高鳴る。

「笑い事じゃないですよ!」

本気で心配しているのはニコルだけのようだ。

「ごめんなさい、でも大丈夫よ。イージスもあるのだから。」

「そうだな、もう日が落ちる。捜索は明日だな。」
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