第2章 2
「なぁむつき…。
朝の約束・・・」
『はいはい。
好きなのどうぞ。』
そう言ってむつきは
弁当箱を平助に渡した。
「うわぁ、やっぱお前の
つくるもんは、うめぇわ!
さんきゅーな!」
『どういたしまして。』
「むつきちゃんって自分で
お弁当作ってんの?
そして、何で平助がそれを食べてるのかな?」
『私の家、両親が海外に行ってて
それで、私が作るしかないんですよ(笑)
平助が食べてるのは、ただの平助のわがままです。』
「なっ!ちげぇよ!
これは、お前が俺の事
無視するからだろ!」
『私は無視してないよ。
ただ見えなかっただけ!』
「そっちの方が傷つくわ!」
「平助君もむつきちゃんも
ケンカしないで!」
『千鶴が言うんだったら
しょうがないなぁ。』
「2人とも元々知り合いだったのか?」
「一君?いや、俺たちは
入学してから知り合ったんだぜ」
「そうなのか…ずいぶん仲がいいのだな。」
『そうですか?』
「周りからみたら姉弟みたいだよ。」
『いつも弟がお世話をかけます。』
「ぷ、あははははは
むつきちゃんおもしろいね!」
「俺が弟かよ!」
「確かに平助君の方が弟っぽいかも。」
「千鶴まで何言ってんだよ!」
~キーコーンカーコーン~
「やっべ、チャイムなっちまった!
千鶴、むつき行くぞ!」
「じゃあ、先輩また放課後に
失礼します。」
『では先輩方また会う日まで』
「あはは、むつきちゃんって
やっぱりおもしろいや!
じゃあ、またね。」
「おい、総司
お前は何サボろうとしているのだ?」
「やだなぁ一君サボるんじゃないよ。
昼寝をするんだよ。」
「それをサボるというのだ。」
「はぁ仕方ないな。
一君早く行くよ!」
「それはこちらの台詞だ!」