第7章 調査
仕事の進み具合を確認すると、すぐに総隊長のところに行った。
実はもう少し早く辞令を出していたらしいのだが、裏廷隊の子が私を見つけることが出来なかったそう。
相変わらず霊圧を消して過ごす癖が抜けとらんの、と言われた。
その言葉は三番隊だった時にも言われたなぁ。
総隊長からの伝達事項は基本裏廷隊の子が行ってくれるのだが、毎回私の霊圧だけ察知出来なくて任務を伝えられなくて困っていると。
「今回の調査の詳細じゃ。向こうに着くまでに目を通しておくように」
束になった分厚い資料を抱えて執務室を出た。
あ、そういえば義骸に合わせる服持ってない。
現世なんてかなり久々に行くし、もしかして浴衣じゃ目立っちゃうかな?
ふと浮かんだ疑問に立ち止まると、後ろから声を掛けられた。
「あら、千早じゃない。どうしたの、こんなところで」
「乱菊副隊長、お疲れ様です。
実は急遽現世に行くことになったんですが、現世の服持っていなくて……」
「そうなの?
あたしはちょくちょく現世任務行くことあるから服も持ってるけど、あたしの使う?」
いや、乱菊副隊長とはサイズが合わない気がする。
主に胸囲の……。
「あ、てかお昼まだよね?一緒に食堂行きましょ!」
「え?あの……」
「大丈夫大丈夫!ついでに現世服買える店も案内してあげるから。
現世で買うよりちょっと高いんだけど」
「それは問題ないです」
「そうよね?じゃあお昼にしましょ。何食べたい?」
あれよあれよと事を進められ、気がつくと食堂で定食を口にしていた。
あんまり食堂って来たことなかったけど、このワカメのお味噌汁出汁が効いてて凄く美味しい。
疲れた身体に染みる。
「さっ、行きましょう!」
日番谷隊長に乱菊副隊長を少しだけお借りする旨を伝えて、繁華街へ赴く。
勤務時間内にこんなところに居るなんて少し気が引けるけど、これも仕事。
そう割り切って進んで行く。
「総隊長も急よね、今日出発だなんて」
「調査任務なんて基本急ですよ。
今回は席官数人を派遣するより隊長格1人を派遣した方が効率が良いと判断されたのですから、仕方ないです」
「千早も大変ね〜、あ!ここよ、ここ!」