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【BLEACH】闇夜に咲く花

第6章 寝不足の罠


翌朝、少しぼんやりとする頭を無理矢理起こし、少し早めに出勤した。
今日は各隊の隊士に内示が出る日だ。
この内示が問題なければ後に公示が出て、異動日が決まる。
少し書類仕事の増える日。
各隊の始業開始前に今ある書類を優先度や内容ごとに仕分けしていく。
これからは優先順位をつけて効率良く仕事を捌かなければいけない。
中々に忙しくなる。



「しばらくは休みなしかな」



隊員もまだゼロだから仕方ないけど、採用書類を仕上げるだけでもかなりの時間を食ってしまう。
それぞれの今までの成績や勤務態度を鑑みて席官を決めなくてはならないし、何より副官すらも探せてない。
総隊長はかつての副官を指名しても良いと言ってたけど、彼も私の引退と同時に護廷隊を去っている。
故に所在は分からない。





*****





それから2週間程休みなく働き続け、ようやく公示を出すところまで辿り着けた。
あとは異動日までに引き継ぎを済ませて貰って、私が副官を選出したら一段落する。
副官か……事務処理能力は大前提として、ある程度の戦闘能力も欲しいよね。
でもそんな人材、既にもうどこかの隊で活躍している人が殆ど。



「思ってたより難しい……どこかに光る原石居ないかな」



疲労と寝不足で回らない頭を、熱いお茶で無理矢理覚ますと気分転換に外へ出た。
2週間座りっぱなしだった身体は至るところが凝り固まっていて、動くのが辛かった。
近くにあった丘で日向ぼっこをしながらウトウトしていると背後から拘束された。



「っ!?」
「ネムごときに背後を取られるとは怠け過ぎなんじゃないのかネ」
「涅隊長。お疲れ様です」


後ろから羽交い締めにされ、ぼんやりと考える。
女性の身体って思ってるより柔らかいんだなぁ。
涅副隊長ってこんなに力が強かったかな?
それともこの前より強化されてる?



「涅隊長ってご自身で副官を造られたんでしたっけ?」
「そうだが。なんだネ、急に」
「私の隊の副官も造って頂くことは可能でしょうか?」
「……何を企んでいるのかは知らんがネ。
お前の血液と霊子があれば可能だヨ、興味があるのかネ」
「……そうですか、ではどうしても決まらなかった時にまた声掛けさせて頂きますね」



涅副隊長の腕からスルリと抜け出すと瞬歩でその場を去った。
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