第4章 十四番隊、始動初日
「沢山ありますからね。
どんどん呑んで良いんですよ」
「はい、あまり多くは飲めないので少しずつ飲みます」
「ふふ、そうですね」
卓に並べられているお酒は数が多い。
色とりどりなお酒や、高価なお酒まで。
興味を惹かれたものから順に、少量ずつ口に運ぶ。
お酒も料理も凄く美味しい。
「ねー、千早。あたしと飲み比べしましょ!」
乱菊副隊長と飲み比べをして、惨敗したり。
吉良副隊長と話したり、狛村隊長の毛並みを触らせて貰ったり。
皆の傍に寄って順番に会話をしていく。
日番谷隊長がお酒ではなくお茶を飲んでいたところがちょっと可愛かった。
全員と話を終えて元居た席に戻る。
「烈さん……私、酔ってしまいました」
「あらあら、顔が真っ赤ですよ。お水飲みますか?千早」
「飲みます……」
隣に居る烈さんに寄りかかる。
身体がフワフワして、楽しい気分になる。
烈さんに貰ったお水をゆっくりと飲み込めば、冷たい水がお酒の熱を冷ましていく。
「相変わらず、可愛いですね」
赤い顔をしている千早の髪を撫でる。
その心地良さが私の眠気を増長させていく。
「私、自分の運命を受け入れます。もう逃げません。
だから、いつでも呼びつけてくださいね。
すぐ、駆けつけます……から……」
眠そうに目をトロンとさせた千早の言葉に、卯ノ花が驚く。
「……強くなりましたね、千早。おやすみなさい」
眠りにつく千早をよそに、歓迎会は進んでいった。
皆が酔い潰れ、机に突っ伏す頃にようやくお開きとなる。
「浮竹隊長。千早を部屋まで送って貰っても構いませんか?」
「あぁ、もちろん」