第12章 調査 #2
あの後少しだけ仮眠をとり、義骸に着替えて学校へ行く準備をする。
慣れない現世服に手こずりつつも、なんとか着替え終えた。
スカート短い……こんなに脚出ちゃうのか。
今の子ってこれが普通なの?屈んだら下着見えない!?
「凄い恥ずかしい……やっぱり私には無理かも」
ポツリと漏れた本音。
こんなに脚を出して外を歩いたことはない。
良い歳してみっともないとか思われたりしないかな?
「脚出てんのもエロイな」
「わっ!阿近!びっくりした……!」
「そんなに悠長に鏡見てて良いのか?遅刻するぞ」
「でも……」
襖を開け、阿近がこちらを覗き込んで笑った。
「そういえば阿近仮眠は?」
「千早を見送ったら寝る」
「それは遠回しに早く行けって言ってる?」
「さぁな。そんなに心配する程変じゃねぇよ」
「ほんと?」
「俺はご機嫌は取らねぇ主義なんだ」
「そうだよね。ごめんね、長々と。行って来ます!」
「おう、気を付けろよ。
現世の学生は簪付けねぇから外しといた方が良いぞ」
「そうなの?分かった!
じゃあ阿近が預かっててくれる?」
「あぁ」
阿近に小さく手を振り、お店を出る。
欠伸をしながら軽く手を挙げる阿近が可愛かった。
1人で夜通しデータ分析をしていた阿近は、疲れて早く寝たかった筈。
私の見送りの為に起きててくれたことを嬉しく思いながら学校へ向かった。
*****
慣れない学校で半日過ごし、なんとか昼休憩の時間になった。
授業中も、どこへ行くにも、何をしていても、周りからの視線が絶えなかった。
転校生は珍しいって本当のことだったんだ。
たった数時間なのに、とてつもなく長い時間に感じられた。
「疲れた……」
1番人が来なさそうな屋上に行き、手すりに身体を預ける。
程良い強さで吹く風が凄く心地良い。
目を瞑り、耳を澄ませると風に流れて色々な人の声がよく聞こえる。
ご飯食べなきゃだけど、今動く気力がない。
まるで見世物のようなあの空間に4時間以上ずっと居たんだし、今ぐらいは休んでも文句は言われないだろう。