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【BLEACH】闇夜に咲く花

第9章 本格始動


翌朝、部屋に差し込む朝日が眩しくて布団の中に潜った。
温かくて心地良いこの場所から出たくない。
あと5分だけ。
誰に言うでもなく、自分でそう決めて目を閉じる。



「んんん……起きなきゃ」



二度寝の5分間なんてあっという間に過ぎてしまう。
眠い目を擦りながらゆっくりと身体を起こす。
隣でスヨスヨと小さな寝息を立てる阿近の髪を撫で、支度を始める。
顔を洗って物理的に眠気を覚まし、湯浴みをしてから死覇装に着替える。
汚れないようにエプロンをして朝食の準備に取り掛かる。



「……阿近も食べるかな?」



昨日何も準備していなかったから作れるものなんて大体決まっちゃってるけど。
卵に調味料と明太子を混ぜ、卵焼きを作る。
ソーセージを数本ケチャップを掛けて焼き、トースターで厚切りのパンを素焼きしたら完成だ。




「……早ぇな、起きんの」
「おはよう」



眠そうに頭を掻きながら台所へ来る阿近。
ピョコッと小さく寝癖が立っているのが可愛い。



「朝ご飯作ったんだけど、食べる?」
「あぁ」
「持っていくから顔洗って座ってて?」



出来たてのおかずとパン、バターを持っていくと、阿近が目をシバシバと瞬かせながら椅子に座っていた。
普段寝ないで働いている分、朝が弱いのかな。



「ごめんね、任務があって作り置きとか買い置きほとんどなくて有り合わせだけど……」
「人に作って貰ったもんに文句つける程俺はいかれてねぇよ。
ありがとな」



向かい合って朝食を食べる。
その間は互いに無言で、嫌いな物とかなかったかなと阿近の顔をチラチラ見ていたら見過ぎだと笑われた。



「ご馳走さん。美味かった」
「良かった。あ、食器は流しに置いてくれれば良いよ」
「いや、食わせて貰ってるしそのぐらいやる。
千早は仕事あるだろ?支度して来いよ」
「ありがとう。お願いします」



朝起きたあとにほとんど支度は済ませていた為、軽く整えるだけで終わった。
私の部屋に阿近が居るだけでも新鮮だけど、洗い物をしてくれている後ろ姿に胸が高鳴る。
良いなぁ、こういう生活。憧れる。
起きたら隣に好きな人が居て、自分の為に何かをしてくれる。
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