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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第7章 時を駆ける想い




「…松田には何を?」

「…今、幸せ?って聞きました。
返事はなかったけど」

「…君は?」

「え?」

「君は今、幸せですか?」


唐突に聞かれたけど、はい!そうです。とはとても答えられなかった。

陣平くんが亡くなってから、誰かを愛するということが怖い。
愛して失うぐらいなら、最初から1人の方が楽だ。

そう思うと、恋をする気には到底なれなかった。

結婚を前提に付き合って欲しいと、誰もが羨む男性に言われても、陣平くんに抱かれた時の幸福感には到底叶わない。

陣平くんがいない毎日に幸せなんてありえない。
そう思ってるのが顔に出ていたのか、降谷さんは優しく笑って言った。


「君の幸せを、きっと一番に願っていると思いますよ。
松田も萩原も。
…では、僕はこれで」


そう言うと降谷さんは会釈をして墓を後にした。

わたしの幸せか…
そんなの、どうしたら手に入れることができるんだろうね。
陣平くんを忘れて、他の誰かと結婚すれば、幸せになれるのかな?

ため息をついて、ゆっくりとその場から立ち上がった。


「…じゃあ、また来るね」


そう言って、わたしも墓の前から帰路についた。


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