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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第7章 時を駆ける想い




そして、現在


陣平くんのお墓の前に立ったわたしは、昔を思い出し、空を見上げると涙が一筋こぼれた。

あの時、陣平くんは、一体わたしに何を言おうとしたの?

最後、あの観覧車で自分が死ぬと悟った時、何を思ったの?

どうして、メールに頑張れと書いたの?


聞きたいことはたくさんあって、全部問いかけるも返ってくるはずもない。


「陣平くんは今、幸せ…?」


その呟いた時、墓地の砂利をジャリ…と誰かが踏む音が聞こえた。

そして背後に誰かの影が見えた時、後ろから声がした。


「あれ…君は。」


振り返るとそこには、お兄ちゃんと陣平くんの同期、降谷零さんがいた。

どうやら陣平くんのお墓参りに来たようで、手にはお花がある。


「…降谷さん。ご無沙汰してます」


あの警察学校の同期5人の中で生きているのは彼だけ。

諸伏さんは陣平くんの少し後に、伊達さんはつい昨年亡くなったと聞いている。


「松田の墓参りですか」

「はい…」

「幸せ者ですね、あいつも」


そう笑うと降谷さんは持ってきた花を生け、線香を手向けると静かに手を合わせた。


「ミコトさんは確か医者になったと…」

「はい。2年半前から東都大学附属病院で。
もう26になりました」

「そうですか。
確か初めて会ったのは7年前ですね。
まだ19だった」

「はい。気付けば陣平くんに年齢が追いついちゃいました。
…そして来年には、追い越しちゃう。
嫌ですね。陣平くんが知ってるわたしがどんどんいなくなる。」


そう言って笑うと、降谷さんは優しい笑顔を向けた。


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