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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第7章 時を駆ける想い




寺の住職さんに挨拶を終え、タクシーを拾うために大通りに向かおうとした時、ふと寺の横の敷地に大きな階段ができていることに気づいた。


「…こんな階段あったっけ?
鳥居があるってことは神社かな?」


毎年墓参りにきているけれど、初めて見た。
神社って新しくできたりする?

そんな風に不思議に思いながらも、わたしは吸い寄せられるようにその階段を登った。


「わたしが見落としてただけかなあ…
鳥居もすこし古ぼけてるし…」


そう思いながら階段を登っていくと、鳥居がだんだん近づいて来た。


今思えばただの好奇心だったのだけど、まさかこれがわたしの運命を大きく変えることになるなんて、想像もできなかった。


1日歩き回ったヒールの足でようやく頂上まで階段を登り切ろうとしたとき、突然大きな突風が吹いた。


ブワッ


耳に風の音が妙に大きく響く。

そして、わたしの身体は風に煽られてバランスを崩し、履いていたヒールで足を捻る。

その反動で、身体は上がってきた階段から落ちるように傾いた。


ヤバい。
このまま落ちたら死……



そう思いながら、わたしの身体は長い石の階段をゆっくりと落ちていく。


まぁ、これも運命か…

お兄ちゃんや陣平くんの死と比べると、ずいぶん間抜けだ。
一人で足をひねって階段から落ちる事故死なんて。

でも、きっとあの世で再会した時に2人で笑ってくれるよね…


そう思うと、フ…と笑みが溢れてそのまま目を閉じた。





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