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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第53章 最終話 evermore




陣平くんはゴシゴシと目を擦って、上を向いて深呼吸をすると、わたしを正面から見つめた。

そして、フッと笑った。
わたしの大好きな、自信たっぷりのあの笑顔で。
初めて彼に恋をした時と、同じ笑顔で。


「綺麗だ。ミコト。
世界で一番な。」

「嬉しい…!」

「萩原にも見せてやりてえな」

「見てるよ。お兄ちゃんは」


そう言いながら、わたしは陣平くんの手を握った。


「陣平くんも、世界で一番かっこいい!」

「…照れるだろ」

「照れててもかっこいい!」

「やめろよ、恥ずかしいから!」


そんなやりとりをして笑い合ったあと、わたしはひとつ陣平くんにどうしても伝えたいことがあった。

陣平くんの腕に手を回し、わたしは信じてもらえない可能性大のカミングアウトを陣平くんに。


「陣平くん聞いて?
…わたしね、実は未来から来たの」

「ふぅーん」


あまりにも気の抜けた返事に、これは信じてもらえてないな?と、彼を覗き込みながら尋ねた。


「冗談だと思ってる?」

「いや?」

「え…じゃあ、信じてくれてるの?」

「あぁ。」

「驚かないの?!」


平然とその事実を受け入れる陣平くん。
こんな夢物語同然の事実をカミングアウトしたわたしの方が焦ってくる。

そんなわたしに、陣平くんは鋭い名推理と共にわたしがずっと心の中に隠していた事実を言い当てる。


「そうなんだろうなーと思ってた。
思えば言動がいちいち変だったし、俺に何度もどこにも行かないで?って言ってたし。
…俺、あの日死ぬはずだったんだろ」

「…」

「なのに、お前が必死になって守ってくれたんだよな。
だから、今度は俺がお前を一生かけて守っていってやるから。
ずっと一緒にいよう」

「陣平くん…」

「今日はそれを、みんなに誓うんだ。
行こうぜ」


そう言ってわたしに腕を差し出した陣平くん。
その腕に手を通してぎゅっと組むと、チャペルの扉が開いた。

バージンロードは2人で歩こう。
そう約束したわたしたち。

そんなわたしたちにとって、心から大切な人たちがチャペルで祝福の拍手をくれた。


両親、お姉ちゃん、陣平くんの同期のみんな、陣平くんの警察の同僚に上司、わたしの友達、医師仲間

そして、お兄ちゃんも


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