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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第52章 愛




萩原はそんな俺に優しく諭した。


「大丈夫。ミコトは強いから。
なんたって、俺の妹だぜ?」

「よく言うぜ。…お前は…死んじまったじゃねえかよ…」


死んだ

その言葉を口にすると、現実が一気に押し寄せて来てまた違う涙が溢れた。

そんな俺を見て、萩原は相変わらず優しい目で笑う。


「だな。…けど、俺はずっと陣平ちゃんと共に生きてるよ。
陣平ちゃんが俺のこと忘れない限りずっと、陣平ちゃんの心の中で生き続けられる。」

「忘れねえよ。忘れるわけないだろ?!」

「うん…けど身体がねえことには、流石にミコトを守れねえから。
だから、ミコトが目を覚ました後もずっと、陣平ちゃんが守ってやってくれよ?
俺の大事な妹をな」

「たりめえだ。ミコトは萩原の大事な妹だろうが、俺にとっても大事な女なんだよ。」


そう言いながらミコトの方に目をやった。
大事な女は、まだ目を閉じたまま。
萩原が会いに来てくれたのに、寝たまんまか…
こりゃ、起きたら拗ねるな。わたしだってお兄ちゃんに会いたかったのに!と。

そんな姿を想像して、ふ。と口角を上げた俺は続けて言った。


「一生一緒にいるって誓った、俺の世界で一番の宝物だ。
…だから、安心しろよ。な、萩原」


名前を呼びながら、萩原の方へ顔を向けると、そこにはもう誰もいなかった。


「萩…」


4年ぶりの再会は、振り返ると夢だったんじゃないかと思うほどあっけない。

また俺、萩原に「お前は俺の1番の親友だ」と言うのを忘れてやんの。

次はいつ会えるんだよ…約束ぐらいしてからいなくなれよ…

心の中でそう悪態をついたものの、さっきの萩原の言葉を思い出す。


「俺はずっと陣平ちゃんと共に生きてるよ」



そうだな…会えなくても、聞こえなくても見えなくても、萩原は俺の心にずっといてくれる。

今、お前のことをいちばんの親友だと思ったのも、聞いてるかも知れねえな…


そんなときだった。


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