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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第52章 愛




俺はゴシゴシと自分の目を擦り、パチパチ開いて閉じてもう一度見開いて萩原を見た。


「おま…なんで…っまさか、ゆうれ…」

「失礼だな!足ついてるだろ?ちゃんと!」

「た、確かに…」


確かに。って納得してどうすんだ俺!!!?と自分の心の中で自身にツッコミをいれる俺に、萩原がミコトの髪を撫でながら言う。


「陣平ちゃんが俺に会いたいって言うから、会いに来た」

「っ…別に、俺は…」


つい、萩が生きていた頃のように口をついて出そうになった強がり。

それをグッと飲み込んだとき、同時に涙が溢れた。

泣くのなんか俺らしくねえ。男らしくもねえ。って思うのに、止めようと思えば思うほど涙が溢れて、俺の本音と共にこぼれおちた。


「っ…会いたかった…
ずっと、萩原に会いたかったっ…」


この4年、萩原に会いたいと思わない日はなかった。

会いたいと思うたびに、もう会えない現実に打ちのめされて、喉の奥に鉛を詰められたような気分になった。

会いたかった…萩原に、幽霊でもなんでもいい。


萩原はそんな俺の様子を見て、あの頃と変わらない憎たらしいほどハンサムな笑顔で笑う。


「嬉しいねえ。俺がいなくなって、陣平ちゃんこんなに泣いてくれるのか」

「っ…たりめえだろ?!
どれだけお前と一緒にいたと思ってんだよ」

「だな。兄弟同然だ。
でも俺は、陣平ちゃんとミコトの事、ずっと見てたぜ?」

「ずっとって…」


やべ…どこからどこまで見られてたんだ?!萩原に。

と、内心焦る俺を煽るように萩原が笑う。


「俺の可愛い妹に、エロい事しまくってんの。ぜーーんぶ見てた」

「べっつに、しまくってねぇだろ?!
…ちょっとしか」

「自覚あるのかよ!
まあそれは冗談として、ミコトのこといつも大切にしてくれてること、ちゃんと見てたよ」


萩原はそう言うと、兄貴の顔になってミコトの前髪を指で寄せた。


「…大切にできてねえよ…
こんな怪我、負わせてるんだから」

「それは陣平ちゃんのせいじゃないだろ?
ミコトは、陣平ちゃんを守ろうと必死だったんだよ」

「俺がミコトを守るはずだったのに…
っ…もし、このまま目を覚まさなかったら」


そんなもしもの話を口にするだけで、全身が震える。


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