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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第52章 愛




悲しそうに、けれどどこか清々しい笑顔を見せ、わたしの大好きなお兄ちゃんの声で言う。


「俺は、2人の心の中にいる。ずっと、永遠に。
それで、2人のことずっと見てるよ。」

「っ…わたし…陣平くんと一緒に生きていいの?」

「当然だろ?」

「お兄ちゃん…」


また一歩ずつお兄ちゃんに近づくと、お兄ちゃんは呆れたように笑う。


「だから、こっちに来ちゃいけないって」

「一度だけ。一度だけぎゅってして。」


泣きながらそう願うと、お兄ちゃんは両手を広げて「おいで」と言い、わたしはその胸に飛び込んだ。

お兄ちゃん、死んでるなんて嘘でしょ…?
だって、腕の中こんなにあたたかいじゃない。

まるで現実感がなくて、ああこれは夢なのかもしれない。そう思っていると、お兄ちゃんがわたしの髪を撫でながら耳元で囁いた。


「ミコト。お前は俺の大切な妹だよ。
これまでも、これからもずっと。」


その言葉をくれた瞬間、お兄ちゃんの匂いも温かさも全て消え、光だけが残った。


「陣平ちゃんを、頼んだぜ。」


お兄ちゃんのその言葉のすぐ後、光の向こうから、誰かが何度もわたしを呼ぶ声が聞こえてくる。


わたしの大好きで、恋焦がれている声が

聞こえる。


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