第51章 死なせたくない人
松田side
なあ、萩原
お前が生きてる時はこんなこと言うつもりもなかったが、やっぱお前はすげえや…
萩原、力を貸してくれ。
そう念じてすぐ、タイマーにヒントが表示された。
表示されたのは
・・八 十 八 八 七・・
その瞬間、俺は即座に残りの一本を切った。
ドッ…ドッ…ドッ…
心臓の音がうるさく鳴り響く中、目の前の爆弾のタイマーは残り0.18秒。
それ以上何も表示せずに真っ黒にショートした。
八十八から成る漢字は米
八 七は花
そしてに・・挟まれて表示されていた。
それらの条件に一致する場所は、米花中央病院しかねえ。
まさにミコトが今いる場所で、ずっとそこ以外であって欲しいと唱えていた場所。
3秒で解けるのは俺だからだ。
きっと、今頃犯人は俺が自分の命惜しさにタイマーを止めたと思っているに違いない。
今がチャンスだ…
俺がタイマーを止めた結果、観覧車は爆発しないまま俺は地上へと降り立った。
無事な姿を確認した佐藤と目暮警部は、駆け寄ってきて俺を励ますように肩を叩く。
「松田くん!自分を責めることないわよ!
まだ時間はある。しらみつぶしに…」
「いや、爆弾の場所がわかった。
犯人に気付かれねえように、処理班をはやく…!」
「え…?」
俺がそう伝えたと同時に、目暮警部の持っていた携帯が鳴り響いた。
ピリリリリ
「はい、目暮。…ええ!?不審物の通報?!」
「?!」
「松田くん、爆弾のありかって米花中央病院かね?!」
「あ、あぁ…」
「たった今、そこで不審物が見つかったと通報があって、今処理班が秘密裏に向かった。
一課にも避難指示の応援に来てほしいと連絡があったよ」
「なんだって?!」
不審物の通報…?!
このタイミングで運良くそんなことあるのか…?
「偶然かしら…」
「…とにかく、俺たちも行こうぜ」
同じように佐藤も首を傾げたが、俺はとにかく早くミコトの無事を確かめたくて、大急ぎで車へと乗り込んだ。