• テキストサイズ

【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第51章 死なせたくない人




多目的トイレのドアを開けた先の視界に入ったものは、大きなデパートの紙袋。


まさか…


そう思い、そっと足跡を立てずに近づいて中身を確認すると、大きいプラスチック状の物体に時計のタイマーがついている。
スケルトンになっている物体の中にはカラフルなコードが張り巡らさらていて、ドラマとか映画でよく見る「爆弾」そのものだ。


見つけた…!

思わず声が出そうになるのを間一髪のところで抑えた。
もし盗聴器が仕掛けられていたらその場でアウトだからだ。

わたしはそっと多目的トイレを出ると、ドアに使用禁止の貼り紙を貼り、通路を出たところで藍沢先生にピッチを飛ばした。


「はい。藍沢だ」

「先生!ありました!
警察に通報と院長に報告を…!」

「本当にあったのか…
どこにあった?」

「小児科外来の…多目的トイレです」

「小児科…犯人は相当なクズだな。
すぐに連絡をする。外来は受付中止だ。」


「っ!でも、もし変な動きをして犯人にバレたら!」

「なら、別の棟の診察室を使う。
方針が固まり次第、お前にも共有するから少し待っていてくれ」

「わかりました」


とにかく、あとの段取りは藍沢先生に任せよう。
警察が来て、解体作業に入りさえすれば、きっともう大丈夫。

陣平くんは今どこにいるんだろう…
まさかもう、あの観覧車に乗ってる…?


お願い…間に合って…お願い…


祈るしか、わたしにできることはなかった。


[
/ 916ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp