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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第51章 死なせたくない人




おいおい、このままゴンドラをまた動かし始めたら俺は粉々だぜ…

そう思い佐藤に連絡をしようと携帯を取り出した時、タイミングよく向こうからの着信が表示された。



「もしもし!松田くん?松田くん!?大丈夫?」

「ああ…だが、今の振動で妙なスイッチが入っちまったぜ」

「え?」

「水銀レバーだ。
わずかな振動でも中の玉が転がり、玉が線に触れたらオダブツよ
俺の肉片を見たくなきゃ、こいつを解体するまでゴンドラを動かすんじゃねぇぞ」

「でも、爆発まであと5分もないわよ!」

「フン。この程度の仕掛け、3分もありゃ…」


そこまで言ってまた爆弾のモニターに目をやった瞬間、俺の身体に戦慄が走った。


「勇敢なる警察官よ…
君の勇気を讃えて褒美を与えよう」

「ちょ、ちょっと何言ってるの?!」


モニターに表示されたその忌まわしい文面をそのまま読み上げた俺。
電話口で困惑する佐藤を差し置いて続きを読み上げた。


「もう一つのもっと大きな花火の在処のヒントを表示するのは爆発3秒前…
健闘を祈る」

「…まさか…」

「あぁ。これがたった今、液晶パネルに表示された文字だ…
どうやら爆弾を止めてパネルの電源が落ちると、二度とそのヒントは拝めなくなっちまうらしい
つまり奴は最初から警察の誰かをゴンドラに閉じ込めて、この文字を見せるつもりだったってわけだ」

「じゃあ、さっきの爆発は…
この近くに爆弾犯がいるのね?!」

「この人混みの中から奴を断定するのは難しいが、もう一つの爆弾の在処は見当がついてるぜ」

「え?」

「FAXに書いてあったろ、我が戦友の首って。
円卓の騎士は中世ヨーロッパ…
あの頃の騎士は大抵十字がデザインされた仮面を付けてんだ。
もうわかるよな?」

「病院の地図記号!?」


この瞬間、俺の覚悟は決まった。
何故なら、そのヒントを見なければ俺の1番大事な人間を死なせてしまう可能性がぐんと高くなるからだ。


「あぁそうだ。
それがどこの病院かは、ヒントを見たら連絡する」

「れ、連絡するって
ヒントが出るの3秒前でしょ?」

「おっと。もう電池が切れそうだ…
じゃあな」



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