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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第51章 死なせたくない人




杯戸ショッピングモールへ向かう車の中で、俺は予告文に書いてあった14時の爆弾について考えていた。


あの書き方だと爆弾は二つ。
正午と14時

円卓の騎士…それに戦友の首…

俺の推理が正しければそこにはいるかもしれない。

俺がこの世で1番守りたいやつが。



「松田くん!着いたわよ!」

「…あぁ」


車を停めた佐藤に声をかけられ、助手席に座っていた俺は深呼吸をして目を開いた。

外に出ると、観覧車から黒い煙が立ち込めていて、周りの客はパニックになりながら逃げ惑う。

その黒い煙は、4年前萩原を連れ去った光景を鮮明に思い出させた。

萩原…
待ってろ。もうすぐだ…


もうすぐ、お前との約束を果たしてやる。


もう周りの様子を伺っている余裕は無く、72番目のゴンドラを目にした俺はすぐにその場に近づいた。


ゴンドラの扉を開けると、思った通りだ。


座席の下の部分に、チカチカと光る時計付きの"何か"が置いてある。


早速解体してやろうとゴンドラに乗り込む俺を見て、佐藤が慌てて走って来た。


「ちょ、ちょっと松田くん!」

「大丈夫
こういう事はプロに任せな…」


それだけ言い残し、俺は回る観覧車の72番目のゴンドラに乗り込んだ。

萩原を殺した爆弾と共に。



座席下の金具を工具で外し爆弾を視認すると、やはり俺が4年前に解体したものと同じ。
そして、萩原が殉職した調書で何度も見た爆弾の特徴とも酷似している。

待ってろよ、クソ野郎。
必ず捕まえて、一生を賭けて罪を償わせてやるからな。


そう心に誓いながら、防護服も無しに解体をスタートした。

一度解体した経験もあり、今回も全部バラすのにそこまで時間はかかりそうにない。

タイマーに表示されている残り時間は、かなり余裕があった。


楽勝だ。

そう思った時、


ボンッ

ガコンッ


ゴンドラの外から小さな爆発音が鳴ったと同時に、動いていた観覧車が突然停止した。

ハッとして解体中の爆弾に目をやると、今の振動で水銀レバーが作動していることが確認できた。


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