第6章 もしも命が描けたら
陣平くんのお葬式は、出られなかった。
お兄ちゃんのお葬式のときは、ずっと隣に陣平くんがいてくれたのに、今回はいない。
それどころか、陣平くんにサヨナラを言わなきゃいけないと言う現実を、とても受け入れられなかった。
生きてるのか死んでるのかわからないぐらい、目覚めてぼーっとベッドの上で過ごす。
涙だけが、涙腺が壊れたようにずっと流れ続けてる。
どうして…
心配するなって言ったのに…
日曜日、会う約束をしていたのに…
わたしの作ったご飯が食べたいと言っていたのに…
わたしに、話があると言っていたのに…
そればかり考えていて、目を閉じると陣平くんの顔が浮かんできそうで眠るのも怖い。
まるでひとり、遠い星に来たみたいに、世界中で自分しか存在していないような気分。
喪失感と絶望感、そして虚無感
ただ息をしているだけの日が何日も続いた。