第50章 11月6日
墓参りを終えた俺たち。
諸伏と班長とは寺で別れ、俺は零の車に乗せて貰い、駅の近くまで送ってもらっている時だった。
ふと窓の外を見ると、警官が2〜3人慌ただしく聞き取りをしている様子が目にはいった。
なんだ…?事件か?
こんな風に気になってしまうのはもう捜査一課に染まっている証拠だ。
俺の思考を読み取った零は車を停めて、半ば揶揄うように笑った。
「どうやら仕事のようだな、刑事さん?」
「ったく。なんて日だ」
シートベルトを外した俺。
同じくゼロも車を降り、2人で制服警官の元へと走り話を聞いた。
どうやら廃ビルの中に誰かが忍び込んで暴れているみたいだと通報があったらしい。
ひとまず、まだ近くにいるであろう班長と諸伏に連絡を一本入れた後、俺と零は2人で廃ビルの中へと向かった。