第50章 11月6日
松田side
今日は朝から強盗犯を捕まえ
続いてバスの暴走を止め、
さらには飛び降り志願者の静止をした
午前中のたった数時間でこの事件の数だ。
昨日も今日も1日中事件、事件、事件
マジで呪われてるだろ…米花町…
文句を言いながらも結局捜査一課の職務を粛々とこなす自分に辟易するぜ。
そしてようやく午後になり、担当事件の聞き込みを終えた俺は佐藤をどうにか誤魔化して大急ぎで花屋へ向かった。
ディスプレイされている花を選び、花束を頼むと店員に
「午前中、お兄さんと全く同じ花束を買って行った女性がいましたよ。」
なんて話を聞かされながら目の前で花束が出来上がっていくのを眺めた。
この時期の花束を買うのも4回目となればもう慣れた。
それも全部萩原は向けたプレゼントなんて、あいつが生きてるうちは想像すらしなかったな。
そして向かったのは月参寺。
目的の場所の前では、すでに俺の同期たちが並んで手を合わせていた。
さすが、きちんと時間を守るあたり真面目なこいつららしいぜ。
そう思いながら歩みを進めると、俺の足音に気付いた降谷が口を開いた。
「やれやれ」
「遅刻だぞ」
「来ないかと思ったよ。松田」
「悪い悪い。事件事件で抜け出せなくてよ」
そう言いながら、俺はそいつらに歩み寄った。
降谷、伊達、諸伏。
俺の、唯一無二の仲間達に。