第49章 カウントダウン ☆
お風呂から出て、髪を乾かすともう寝る時間。
あっという間に陣平くんと過ごす時間が過ぎていく。
変だね。
陣平くんが亡くなってからは1日が1時間が1分が、とてつもなく長く感じたのに。
「ミコト。そろそろ寝るぜ?
明日から俺、忙しいから」
「…寝ないで起きてたい」
またそんな、訳のわからないわがままを言うわたし。
そんなわたしを捕獲した陣平くんは、ひょいと抱き上げながらため息を吐いた。
「おら、我儘言ってねえで、ベッド行くぞ」
「わ!ちょっと!下ろしてよお!」
バタバタと抵抗してみるものの、あっけなくわたしの身体はベッドまで運ばれた。
陣平くんの同じベッドで眠る。
こんなに幸せなことなのに、今日は眠りたくない。
そんなこと考えているとはつゆ知らずの陣平くんは、容赦なく部屋の電気を消した。
「はい、オヤスミー」
「やだ!!消さないで!!」
「っ!びっくりした…どうしたんだよ?」
真っ暗になった瞬間、わたしの視界から陣平くんが消えて、わたしは思わず大きな声を出した。
「陣平くんが見えないのが嫌!電気つけて!」
「あのなぁ、電気ついてちゃ寝れねえだろ?」
「寝ないもん…今日は朝まで起きてる」
やばい…泣きそうだ…
こんなわがまま、意味わからないよね?
だけど、陣平くん。
本当に明後日、明々後日は来るの?
明日の朝、あなたを見送るのが最後にならない?
今日こうして一緒にベッドで眠るのが最後にならない?
不安で怖くてたまらない。